うまくいかない、、、 4Mはどうなってた?

ある日、

トリミングルームでトラブルが発生しました。

 

いつものようにスタンドドライヤーを使っていたら

バチッ、と音がしてモーターが止まり、

温風が出なくなってしまいました。

 

いろいろやってみましたが

治りません・・・

 

仕方なく、人間用のドライヤーで乾かしたのですが

お約束した時間に仕上げることができず、

お客様を完全にキレさせてしまいました。

 

 

このトラブルの原因は

明らかにドライヤーの故障です。

 

二度とお客様に迷惑をかけないためには、

バックアップ用ドライヤーをもう1台用意すればいいでしょう。

 

でも、直接的な原因に対策しないと

何台ドライアーがあっても

「ドライアーの故障」は防げませんから、

 

●毎朝、電源コードに異常がないか確認する。

●フィルターは毎日、終業時に清掃する。

 

といった日常点検をすることで

故障を未然に防がなければなりません。

 

誰でも納得できるシンプルな例だと思います。

 

 

では、こんなケースはどうでしょう?

 

どんなに努力しても仕事の効率が上がらない。

 

トリマーさんに

「どうして効率が上がらないの?」と聞くと、

2つや3つの原因はすぐに出てきますから

問題ははっきりわかっているようです。

 

「じゃっ、どうしたら改善できるの?」と聞くと、

人を増やして分業制にするとか

腕のいいトリマーを雇うなど、

増員型の答えが多いです。

 

しかしこれはなかなか実行しにくい対策で、

ほとんどの場合は休みを少なくしたり、

営業時間を長くしたり、

予約の電話をバンバン断って対応しています。

 

実はこんな時こそ

「4M」について考るタイミングなんです。

 

4Mを解析すれば

ほんとに人だけの問題なのか?

調べることができるからです。

 

 

「4M」 とは?

仕事をする時に欠かせない

4つの要素を表す単語の頭文字です。

 

Man・マン                 → 人

Machine・マシン     → 機械

Material・マテリアル → 材料

Method・メソッド       → 方法

(街のペットサロンならMarket・マーケット  → 立地

も入るかもしれませんが、ここでは触れません)

 

どんな仕事でも

この4つの要素それぞれがうまくいってる時が

良い仕事のできる状態です。

 

これを、

シャンプー&ドライ作業に置き換えると、

 

      → トリマー

機械  → ドライヤー・ハサミ・バリカン

材料 → シャンプー・リンス

方法 → 手動

 

となります。

 

多くのトリマーが感じている

仕事の効率が悪い原因は、

 

Man・マン → 人

が足りないとか、

 

Man・マン → 人

の能力が低いなど、

人の質と数に関する問題です。

 

本当にそうなら、

スタッフがたくさんいて

全員が仕事の早い優秀なトリマーさんなら

問題は解決するんでしょうか?

(人件費増大など、新たな問題も発生するのに・・・)

 

ぼくは、製造業の会社でサラリーマンをしている時代に

膨大な数の4M分析をしてきましたが、

問題を起こす原因は常に複数ありました。

 

たとえば、

製造現場で人員の不足を解消したり、

能力レベルの差を埋めようとするときには

製造工程のロボット化(自動化)の話がよく出ましたが、

数千万円のロボットはまず導入できません。

 

では、どうやって問題を改善するかというと、

4Mを見直してロボット以外の方向で改善策を探します。

 

その結果、

どんなレベルの作業員でも同じ仕事ができる

生産方法に変えたり、

今ある製造マシーンの能力を上げるテストをしたり、

ロボット以外の方法で

人の質と数を克服することが可能でした。

 

やるべき対策はいつも他にいくつかあって、

むしろ、それが問題の根っこだったりしたものです。

 

一旦立ち止まって4Mについて見直せば、

すぐに実行できる解決策は見つかるはずなんです。

 

そんな視点で

ぼくが仕事効率を解決したサロンの4Mは、

 

      → トリマー(従来通り)

機械  → ドライヤー(エアホースを追加)

材料 → シャンプー・リンス(CDCに変更)

方法 → 手動・自動(時間短縮)

 

という具合に変化して、、、

 

売り上げは55%UP、

地域1番のペットサロンに変身しましたが、

もちろん、トリマーさんの増員はゼロでした。

 

つまり、

効率が上がらないのは人の問題ではなく、

方法に問題があることが分かって、

費用をかけずに仕事効率の問題を解決したわけです。

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P.P.S

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